鍋冠山の測点
1879年(明治12)から翌年にかけて 内務省により
鍋冠山と東京赤阪葵町にある天文台間の 経度電信測量が行われました

1910年(明治43) 鍋冠山の中腹に報時観測所を建設するにあたり
経度を知るために 明治12年の観測地点を探しましたが 発見できませんでした

数年後 山頂から北北西の勾配のかなり急な草薮のなかに
二つに折れた石柱が発見されました 石柱には
 「天象観測指点」「内務省地理局」「明治12年12月」と記されていたそうです

天文月報(第9巻第1号)4P 長崎に於ける経度電信測量の測点 田代庄三郎 より
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鍋冠山展望台から見た 長崎港と「長崎報時観測所跡」
右に見える緑の広場(青い屋根の手前)が「報時観測所跡」です
大正から昭和にかけて「タイムボール」により 港の船舶に正確な時刻を報せました
鍋冠山展望台から見た北西方向
左に 鍋冠山の三角点が見えます
 明治12年の測量地点も この付近にあったと思われます 
ご注意 この画像は 超広角画像です 周辺が極端に湾曲しています。
展望台から降りて 近くに寄ってみると ○印の場所に四角い石が埋まっていました
一辺が16cmほどの石です
長崎市史 地誌・名勝編 1938年刊 1967年再刊 p310 には
明治12年に内務省地理局測量課が 経緯度測量に従事したのはこの(鍋冠山)山上である
今其の遺跡には高さ3尺余りの石柱の一部がある
と書かれているので もしかすると その石柱の「なごり」かもしれません。
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