長崎のタイムボール
 
 向こう側の鍋冠山(標高160m)で正午5分前に目印の球が上がり、正午に落ちると同時に、砲手がドン山の大砲を発射した。
近くに住む人はこの有り様を見ることが出来、「アッ落ちた!」 「ドン」というわけである。
岩永 弘 著 「続・長崎周辺の史跡」 62P 「ドン山から大浦へ下る」より
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「タイムボール」とは 港に停泊する船舶に時刻を知らせる為に作られた施設
高い塔の上にある球を落下させて時刻をしらせた 「報時球」ともいう
日本では明治36年(1903)に横浜と神戸に設置され  明治41年(1908)には門司にも設置された
長崎では
明治44年(1911)3月 鍋冠山の中腹(大浦天主堂の後方の高台)に「長崎報時観測所」が設置
明治45年(1912)2月10日に「タイムボール」が完成 報時業務を開始した。
長崎の「タイムボール」は直径2.1m、赤色に塗装され 柱は白色、高さ27m
赤い球は 正午5分前に柱の上部に引き上げ、電気信号により正午ちょうどに6m落下させた
長崎では 横浜、神戸、門司と違い、独自に報時観測所をもっていたため、日曜、祭日も 休むことなく報時することができた
午後9時にも報時 「赤灯を使う」、「発光信号を使う」、「緑の電灯をともし正9時に消灯する」、と諸説あり
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